
中東っていうと、厳格なイスラム文化のイメージが強くて「お酒って飲めるの?」って気になったこと、ありませんか?結論からいえば、中東では国によって飲酒の可否やルールが大きく異なり、「全面禁止」の国もあれば「観光客向けにOK」な国もあるんです。今回は、中東の飲酒事情について、文化的背景や法律の違いをふまえつつ、わかりやすく解説していきますね。
まず前提として押さえておきたいのが、イスラム教の教義では飲酒は禁止されているということ。これはコーランに明確に書かれていて、信者にとってはとても重要な戒律のひとつなんです。
イスラム教では、「酔うこと」が理性を失わせ、神に近づく妨げになるとされてきました。なので、飲酒だけでなく、酔っ払い状態になること自体がタブー視されているんですね。
ただし、どの程度その戒律を法に取り入れているかは国ごとに違っていて、「完全に禁止!」という国もあれば、「外国人ならOK」「自宅でならOK」というケースもあるんです。
まずは、完全禁酒の方針を取っている国から見てみましょう。ここでは国内全体で販売・所持・飲酒すべてが法律で禁止されている場合が多いです。
サウジアラビアは、世界でも最も厳しい禁酒国のひとつ。お酒の販売・持ち込み・飲酒すべてが法律で禁止されていて、違反した場合は投獄や国外追放、むち打ち刑など、非常に重い罰が科されることもあります。
これらの国も原則的に飲酒は違法。特にイランはイスラム法に基づいた国家体制のため、宗教的にも法律的にも厳しく制限されています。ただし、少数派の非イスラム教徒に限って一部認める例もあるとか。
一方で、「イスラム教国ではあるけれど、ある程度柔軟に対応している」という国もあります。とくに観光業が盛んな国では、外国人向けの配慮が見られます。
ドバイやアブダビでは、特定の許可を受けたレストランやホテルでの飲酒が認められています。さらに、在住外国人には飲酒ライセンスの発行制度もあります。ただし、公の場での飲酒や酔っ払い状態での外出は罰則の対象です。
これらの国々も基本的には厳格なイスラム国家ですが、観光客や外国人駐在員に配慮して空港内、国際ホテル、外国人専用バーなどでは飲酒が可能になっていることが多いです。ただし、飲酒後の運転や人前での酩酊状態は厳しく罰せられます。
実は中東の中でも、「お酒OK」の国もあるんですよ。宗教的にはイスラム教が主流でも、国家の方針としてそこまで厳しく規制していないケースです。
トルコは中東の中でも特に世俗的な国家で、スーパーやレストランでも普通にお酒が売られています。ただし、最近はエルドアン政権による制限強化も進んでいて、広告禁止や税率引き上げなどは行われています。
これらの国でも飲酒は合法で、特に都市部では自由に楽しめる環境が整っています。レバノンではワインやアラック(アニス酒)といった地元のお酒も文化の一部として親しまれています。
「中東=全部禁酒」と思われがちですが、実際には宗教、文化、法律、観光政策などが絡み合っていて、国ごとに事情は大きく異なります。
観光を伸ばしたい国ほど、外国人観光客のニーズに合わせて一部解禁する動きが強まっています。とはいえ、宗教指導者とのバランスをどう取るかが常に課題となっています。
旅行やビジネスで中東を訪れる場合、現地の法律を知らずにトラブルになるケースも。国ごと、都市ごとにルールが違うので、「飲んでもいい場所」と「絶対ダメな場所」をしっかり確認しておくのがマストです!
中東の飲酒事情は、「一律に禁止」ではなく、国ごとに大きく異なるというのがポイントなんです。宗教的な背景はもちろん、観光や経済戦略によって柔軟な対応が取られている国もあって、そのギャップがとても興味深いところですよね。