
東南アジアの国々を旅していると、「あれ、日本人にちょっと似てるかも?」って感じる瞬間、ありませんか?実はそれ、ぜんぜん気のせいじゃないんです。というのも、東南アジアに暮らす人々の多くが「モンゴロイド系(東アジア系)」に分類される人種だからなんですね。
でも、「赤道に近いのに肌が白めな人が多いのはなぜ?」「インドっぽい顔立ちの人もいるよね?」と、疑問もいっぱい湧いてくると思います。この記事では、東南アジアの人種分布と、なぜモンゴロイド系が主流になったのかを、歴史や地理の観点からわかりやすく解説していきます!
まず大前提として、東南アジアの人々は「みんな同じ人種」ではありません。むしろ、多民族・多言語・多文化がミックスされた超バラエティ豊かな地域なんです。
東南アジアの人々はおおまかに以下の3系統に分けられます。
このほかにも、華人(中国系)やインド系移民、中東系の人々も加わって、多民族状態になっているのが東南アジアの特徴です。
本題はここですよね。「なんで?」という疑問に答えるには、ちょっとだけ人類の移動の歴史に目を向けてみましょう。
今から数千年前、中国南部の長江流域あたりに住んでいた農耕民族(稲作民)が、次第に南へと移動していったのが始まりです。彼らが稲作とともに、メコン川流域やインドシナ半島へ広がっていったことで、モンゴロイド系の人々が定着したと言われています。
水稲農業に適した気候や地形を求めて移動した結果、稲作の文化圏=モンゴロイドが多く住む地域という構図ができあがりました。特にメコン川やチャオプラヤ川、紅河(ホン川)などのデルタ地帯は、まさにその代表エリア。
「赤道に近いのに肌が白めなのはなぜ?」という疑問もありますが、これはもともと寒冷地に適応したモンゴロイドの身体的特徴がそのまま維持されているからなんです。
これらは、寒い地域で熱を逃がさないための進化。高地や乾燥地よりも湿潤な気候のほうが体に負担が少なく、そのままの形で定着できたんですね。
島嶼部(インドネシア、フィリピン、マレーシア)ではマレー系と呼ばれるオーストロネシア語族の人々が中心です。彼らもモンゴロイドの一部に含まれますが、少し異なるルートでやってきたんです。
紀元前3000年ごろ、台湾周辺から海洋ルートで南下した人々が、フィリピンやインドネシアへ渡り、島ごとに独自の文化や言語を形成していきました。
このため、フィリピン人やインドネシア人、マレー人は、モンゴロイドの要素に加えて、南方系の顔立ち(くっきり二重・鼻筋が通ってる)を持つことが多いんですね。
歴史のなかでいろんな人たちが東南アジアにやってきました。その結果、中国系・インド系・アラブ系・ヨーロッパ系など、さまざまな人種の血が混ざっています。
特にマレーシア・シンガポール・タイ・ベトナムには、中国大陸から渡ってきた華人がたくさん住んでいます。現在でも経済界や都市部で大きな影響力を持っていて、顔立ちもやや東アジア寄りです。
マレーシアやミャンマーでは、イギリス統治時代にインド系労働者が連れてこられた背景があり、タミル系やヒンドゥー教徒の人々が今も多数生活しています。
港湾都市(マラッカやバタヴィアなど)では、アラブ商人やオランダ人、ポルトガル人との混血も見られ、多様なルックスや名前、宗教が共存しています。
つまり、東南アジアにモンゴロイドが多いのは「農耕文化の南下と定着」+「地理的・気候的な適応の結果」なんです。さらに、マレー系や中国系、インド系など、さまざまな民族のミックスによって、今の多様で豊かな人種分布ができあがったというわけですね。
東南アジアの人種分布は、そのまま“人類の大移動と交流の歴史”を映す鏡なんです。見た目が似ているからこそ感じる親近感、でも少しずつ違う文化や言葉。そうした「違いの中の共通点」こそが、東南アジアをもっと深く楽しむヒントになるはずですよ♪