
イスラエルの国旗
出典:Wikimedia Commonsより
国の基本情報 |
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国名 | イスラエル(Israel) ※正式名称:イスラエル国 |
首都 | エルサレム(Jerusalem)※国際的にはテルアビブも使用される |
人口 | 約960万人(2024年推計) |
面積 | 約22,000平方キロメートル |
公用語 | ヘブライ語、アラビア語 |
通貨 | 新シェケル(ILS) |
政治体制 | 議会制民主主義・共和制 |
主要宗教 | ユダヤ教(国教的扱い)、イスラム教、キリスト教 |
国際的地位 | 中東における先進国。パレスチナ問題を巡る国際的対立の中心 |
建国背景 | 1948年、ユダヤ人国家としてパレスチナの地に建国。以後、周辺諸国との紛争が絶えず続いている。 |
イスラエルって国、現代のニュースでは「紛争」や「宗教対立」のイメージが強いけど、実はめちゃくちゃ奥深いんです。古代のユダヤ文明から現代の建国まで、2000年以上にわたる民族の「帰還」の物語と、宗教・政治・科学がぎゅっと詰まった国家なんです。今回はそんなイスラエルについて、地理・歴史・宗教・政治・現代の社会状況まで、たっぷりと紹介していきます!
イスラエルは西アジア(中東)に位置し、地中海に面した細長い国。北はレバノン、東はシリア・ヨルダン、南はエジプトと国境を接しています。面積は四国よりちょっと大きいくらい。首都はエルサレム(※国際的にはテルアビブを事実上の首都と見る国も多い)。人口は約950万人。
地中海沿岸は温暖で、南部にはネゲブ砂漠もあり。北部には丘陵やガリラヤ湖などもあって、実は農業もわりと盛ん。雨は少ないけど、高度な灌漑技術で水不足をカバーしています。
人口の約75%がユダヤ人、約20%がアラブ系(主にイスラム教徒)。公用語はヘブライ語とアラビア語。ユダヤ人の中にもロシア系、エチオピア系、イエメン系など、さまざまな出自があります。
イスラエルという国の成り立ちは、宗教・民族・戦争・亡命といった要素が深く絡み合っています。2000年の時を経て建国された「現代の奇跡」とも言えるんです。
紀元前1000年ごろ、ダビデ王・ソロモン王によって古代イスラエル王国が成立。その後、バビロニアやローマ帝国によって滅ぼされ、ユダヤ人は世界各地に離散(ディアスポラ)。そこからなんと2000年近く国を持たずに民族として生き続けたんです。
19世紀後半、ヨーロッパでユダヤ人への迫害(ポグロムなど)が続く中、「パレスチナにユダヤ人の国家をつくろう」という運動が起きます。これがシオニズム。第一次世界大戦後、イギリスの支援も受けつつ、ユダヤ人のパレスチナ移住が進んでいきます。
第二次世界大戦中、ナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)が起き、国際世論が大きく動きます。そして1948年、ついにイスラエル国の建国が宣言されました。
でも当然、そこにはパレスチナ人の土地がすでにあって、アラブ諸国は激怒。1948年の第一次中東戦争を皮切りに、何度も戦争・紛争を繰り返すことになります。
イスラエルは議会制民主主義で、大統領は象徴的な存在、首相(現在はベンヤミン・ネタニヤフ)が実権を握っています。
イスラエルはユダヤ人国家をうたいつつも、アラブ系住民も国民として存在しており、民主主義と民族主義が微妙にせめぎ合うバランスの上に成り立っています。
アメリカとは鉄壁の同盟関係があり、技術・軍事・外交のあらゆる分野で協力しています。一方で、パレスチナ問題をめぐっては国際的な非難や孤立も経験しています。
国内には世俗派(リベラル)と宗教派(超正統派)の対立もあり、宗教と政治の距離感をどう取るかが常に社会問題になります。
紛争のイメージとは裏腹に、イスラエルは「中東のシリコンバレー」とも呼ばれるほどハイテク・スタートアップ大国でもあります。
砂漠地帯でも農業を可能にする点滴灌漑技術や淡水化プラントは、他国からも注目されています。
テルアビブを中心にAI・サイバーセキュリティ・医療技術などの企業が多数。人口比で最も多く起業家を輩出している国でもあります。
国民皆兵制(18歳で兵役)という制度もあり、軍事技術が民間に応用されることも多いんです。ドローン、ミサイル防衛システム「アイアンドーム」などが有名。
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地がひしめくエルサレム。宗教・言語・民族・ライフスタイルが複雑に混ざり合っている国、それがイスラエルです。
嘆きの壁(ユダヤ教)、聖墳墓教会(キリスト教)、岩のドーム(イスラム教)など、エルサレムは3つの宗教の聖地が集まる特別な都市。だからこそ、宗教的な緊張も起きやすいんです。
移民国家らしく、料理も音楽も多様性にあふれています。フムス、シャクシュカ、ファラフェルなど、中東料理が国民食として定着しています。
意外にもイスラエルは中東で最もLGBTに寛容な国で、テルアビブでは毎年大規模なプライドパレードも開催されています。
イスラエルという国は、ただの「宗教国家」でも「紛争の火種」でもないんです。古代のルーツと現代のテクノロジー、宗教的な聖地と自由な都市文化、理想と現実がせめぎ合うダイナミックな国。複雑だからこそ、知れば知るほど面白い。そんなイスラエルを、表面だけじゃなく、ぜひ多角的に見つめてみてくださいね。