
オマーンの国旗
出典:Wikimedia Commonsより
国の基本情報 |
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国名 | オマーン(Oman) ※正式名称:オマーン国 |
首都 | マスカット(Muscat) |
人口 | 約460万人(2024年推計) |
面積 | 約309,500平方キロメートル |
公用語 | アラビア語 |
通貨 | オマーン・リアル(OMR) |
政治体制 | 絶対君主制(スルタン制) |
主要宗教 | イスラム教(イバード派中心) |
国際的地位 | 中立的外交政策で知られ、湾岸諸国の中でも独自の路線を歩む |
建国背景 | 1970年、スルタン・カーブースが即位し、近代国家としての改革を推進。長らく鎖国的政策をとっていたが、近代化に成功。 |
オマーンって聞いて、どんなイメージが浮かびますか?「どこにある国?」「石油はあるの?」そんな疑問を持つ人も多いと思います。でも実は、アラビア半島の先っぽに位置して、長い航海の歴史と独特の外交スタイルを持つ、めちゃくちゃ“個性的な国”なんです。今回はそんなオマーンについて、地理・歴史・政治・社会の特徴をまるっと紹介していきます!
オマーンはアラビア半島の南東端に位置する国で、北にアラブ首長国連邦・サウジアラビア、西にイエメンと接しています。海に囲まれた国で、アラビア海とオマーン湾に面しているため、昔から海洋交易が盛んでした。首都はマスカット、人口はおよそ450万人ほどです。
オマーン人の大半はアラブ系で、宗教はイスラム教ですが、ちょっと特別。イバード派という少数宗派が多数を占めていて、スンニ派やシーア派とはまた違う独自のスタイルなんです。
オマーンは中東の中でもかなり古い歴史を持つ国のひとつ。しかも、王族の系譜が1000年以上も続いているっていうすごい国なんです!
古くからインド・アフリカ・東南アジアと交易を行う航海民族オマーン帝国としてアフリカ東岸(今のザンジバルなど)まで支配したこともあるんですよ。
16世紀にはポルトガルがマスカットを占領しますが、オマーン人が追い出して独立を維持。19世紀以降はイギリスと保護条約を結びつつも、完全な植民地にはならなかった数少ないアラブ国家です。
1970年、カブース国王が即位すると、オマーンは一気に近代化へと舵を切ります。道路、学校、病院などのインフラ整備が急速に進み、「オマーンの奇跡」とも呼ばれました。
オマーンは立憲君主制で、国王が行政・軍・司法のトップを兼ねます。現在の国王はハイサム・ビン・タリク。前国王のカブースから2020年に王位を継承しました。
国王の力は強いけど、議会(諮問会議)も存在していて、段階的な民主化も模索中。ただし、政党は禁止されていて、完全な民主制ではありません。
オマーンの外交は「誰ともケンカせず、うまくつきあう」スタイル。サウジとイラン、アメリカとイランなど、対立関係にある国の橋渡し役をすることもあります。
GCC(湾岸協力会議)には加盟しているものの、他国とは一線を画す独立志向が強く、軍事同盟や経済政策も独自路線を貫いています。
石油はあるけれど、サウジやUAEほどの規模ではないオマーン。その分、早くから経済の多角化に取り組んでいて、観光、漁業、鉱業が重要な柱になっています。
ドゥクム港などの大型港湾施設を整備し、物流ハブとしての地位確立を目指しています。インド洋とペルシャ湾の結節点という地理的利点を活かした戦略です。
緑の山々、海岸、砂漠、歴史遺産など、観光資源が豊富。エコツーリズムやアドベンチャーツーリズムが注目されており、外国人旅行者も増加中です。
人口の多くが30代以下で、教育改革やICT人材育成にも力を入れています。一方で、若年層の失業率は課題になっています。
オマーンはアラブ文化圏ではありながら、海洋文化やインド洋交易の影響が色濃く、ちょっと独特。アフリカ、インド、ペルシャの文化がミックスされた「オマーンらしさ」が魅力なんです。
男性の民族衣装には、香り袋(ムスル)を胸元につけるのが特徴。建物も白を基調とした優美なイスラム建築が多く、マスカットのスルタン・カブース大モスクは必見。
ドラムや笛を使ったアフリカ系リズムの音楽や、ラクダレース・伝統舞踊など、遊牧と海洋文化が融合した独特の表現が根づいています。
スパイスがきいたご飯料理(マジュブースやシャワルマ)が多く、インドやペルシャ料理の影響も感じられます。おもてなし文化が強く、コーヒーとデーツのセットは定番!
オマーンって、派手さはないかもしれないけど、深い歴史と穏やかな強さ、そして他国とぶつからずに自分の道を歩む独自性がとっても魅力的なんです。誰とも争わず、でも芯はしっかりしてる。そんなオマーンのスタイル、今の世界にこそ必要なのかもしれませんね。