東南アジアの雨季・乾季|季節風(モンスーン)との関係とは?

「東南アジア=暑くてジメジメ」というイメージ、ありませんか?でも実は、1年中ずっと同じ気候ってわけじゃないんです。東南アジアには「雨季」と「乾季」という、はっきりとした季節の区切りがあるんですよ。この季節の変化を生み出しているのが「季節風=モンスーン」なんです。では、モンスーンって一体何?雨季と乾季はどこでどう違うの?今回はその謎をひもといていきます!

 

 

まず「モンスーン」ってなに?

聞いたことはあるけど、正体はよくわからない「モンスーン」。これは簡単に言えば「季節によって向きが変わる風」のことなんです。東南アジアではこの風が、毎年きっちり決まったタイミングで大きく方向を変え、それによって気候もガラリと変わるんです。

 

夏と冬で風の向きが逆になる
  • 夏(5〜10月ごろ):インド洋などの海から風が吹いてくる → 湿った空気が山にぶつかり、大雨に!=雨季
  • 冬(11〜4月ごろ):大陸から海に向かって乾いた風が吹く → 雨が少ない!=乾季

 

こんな風に、風の向きが変わることで雨の量も変わるんです。

 

雨季と乾季って、どう違うの?

「雨が多い」と「雨が少ない」だけ?いえいえ、それだけじゃありません。気温、湿度、生活スタイルまで変わってくるのが、東南アジアの面白いところなんです。

 

雨季:毎日スコール!湿度MAX

雨季は、日中は晴れていても午後になると突然バケツをひっくり返したような雨が降ることがよくあります。これが「スコール」と呼ばれる突発的な強い雨。1日に何度も降るわけじゃないけど、一気に大雨になるのが特徴です。

 

湿度も高くて、洗濯物が乾きにくい…なんて悩みも。観光にはちょっと不向きな季節ですが、その分、自然はイキイキしてて緑も濃く、農業にも恵みをもたらしてくれます。

 

乾季:カラッと快適!観光にもおすすめ

乾季は、晴れの日が続いて空気がカラッとしているのが特徴。日中は暑くても、朝晩は涼しくてとっても過ごしやすいです。この時期は観光のハイシーズンとして人気で、ビーチリゾートもにぎわいます。

 

ただし、乾燥しすぎて水不足になることもあるので、水資源の管理が大切になってくる季節でもあります。

 

地域ごとの雨季・乾季の違い

同じ東南アジアでも、国や地域によって雨季・乾季のタイミングがちょっと違うんです。ここ、意外と見落としがち!

 

国・地域 雨季 乾季
タイ・カンボジア・ラオス・ベトナム南部 5〜10月 11〜4月
ベトナム北部 5〜9月 10〜4月
ミャンマー 5〜10月 11〜4月
フィリピン 6〜11月 12〜5月
インドネシア・マレーシア(赤道近辺) 地域によって雨季と乾季が交互に訪れる。年間を通じて降水あり

 

インドネシアやマレーシアなど赤道に近い地域では、いわゆる「乾季」と呼べるほどカラッと乾く時期はなく、年中しっとりしてる感じです。逆にタイやラオスは、乾季はかなりスカッと晴れが続く印象があります。

 

モンスーンと人々の暮らしの関係

雨季と乾季を支配するモンスーンの存在は、人々の生活スタイルや産業にも大きく影響しています。

 

農業は「モンスーン頼み」

特に米作りを中心とした農業は、モンスーンの時期に合わせて田植えや収穫を計画します。雨季にちゃんと雨が降らないと、深刻な干ばつになることも…。逆に、雨が降りすぎても洪水の被害が出るので、本当に天候との勝負なんです。

 

都市生活にも影響大

都市部では、雨季に起きる冠水交通マヒが大問題。インフラ整備が遅れている地域では、大雨のたびに道路が川のようになってしまうこともあります。逆に乾季には大気汚染水不足も起こりやすく、健康リスクもあるんです。

 

気候変動とモンスーンの不安定化

近年では、気候変動の影響で、モンスーンのパターンが年によってバラバラになってきているという声も多いです。

 

雨が降る時期がずれる

本来の雨季が遅れて始まったり、突然短期間で終わってしまったりと、農業スケジュールが乱れがちになってきています。結果として、食糧供給にも影響が出かねません。

 

極端な気象が増加

ゲリラ豪雨や長期干ばつなど、極端な気象現象が増えていて、人々の暮らしやインフラへのダメージも深刻になりつつあります。

 

東南アジアの気候って、ただ暑いだけじゃなくて、モンスーンによって生まれる雨季と乾季のリズムがすごく奥深いんです。季節風が毎年もたらすこの「自然のリズム」は、人々の暮らしや文化、産業を形づくる大きな要素なんですね。