
南アジアって、今でこそインドやネパール、スリランカみたいな共和国のイメージが強いけど、ちょっと昔をさかのぼると、そこには王さまがバリバリ政治を動かしてた時代があったんです。中には「インド全土をまとめちゃった」なんてスケールの王朝もあるし、「象に乗って戦う」「仏教を世界に広める」なんて、ちょっとした冒険ファンタジーみたいな話もいっぱい。一世を風靡した南アジアの王朝と創始者たちは、戦争も外交も文化も全部ひっくるめて、南アジアの土台をつくった存在なんです。今回はそんな王たちがどうやって国をつくり、どんな功績を残したのか、順番に見ていきましょう!
王朝名 | 年代 | 創始者と治世 |
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マウリヤ朝 | 紀元前322年 - 紀元前185年 |
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クシャーナ朝 | 1世紀 - 3世紀 |
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グプタ朝 | 320年頃 - 550年頃 |
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ハルシャ朝 | 606年 - 647年 |
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デリー・スルタン朝 | 1206年 - 1526年 |
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ムガル帝国 | 1526年 - 1857年 |
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マラーター同盟 | 1674年 - 1818年 |
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マハーパドマ・ナンダが建てたこの王朝は、今のビハール州あたりから始まって、一気に北インドを席巻しました。インド初の“中央集権型”国家といわれてて、土地を管理したり税を取ったり、行政の仕組みを整えたのがこの人たち。農業も発展させたので、経済的にも力を持ってました。
マハーパドマ・ナンダはカースト制度の上では高貴じゃなかったんですが、それでも王になって巨大国家を築いたという意味で、民衆の支持も厚かったみたいです。
チャンドラグプタが創始したこの王朝は、アレクサンドロス大王の退却後の混乱期に、ガッと勢力を広げて一気にインド全土を統一した「最初の帝国」。でももっと有名なのは孫のアショーカ王で、彼が仏教を保護し、広めたことで知られています。
アショーカは初期は戦争ばかりしてたけど、カリンガ戦争の後に改心して「非暴力と慈悲」の政治を始めました。碑文で政策を伝えるなど、歴史に残る仏教のパトロンとして今でも有名なんです。
チャンドラグプタ1世が興したこの王朝は、「古典インド文化の黄金期」と言われています。サンスクリット文学が花開き、アラビア数字やゼロの概念、数学、天文学など、世界的に影響を与える発見が続出したんですよ。
仏教が広まっていた時代から一転、この王朝はヒンドゥー教を国家宗教として再び持ち上げたことで、宗教と王権の新しい関係が築かれました。
13世紀、クトゥブッディーン・アイバクが北インドに建てたイスラム王朝の始まり。これがデリー・スルタン朝の第一王朝「奴隷王朝(マムルーク朝)」です。トルコ系の武人出身だったアイバクは、イスラム教を統治の軸に置きながら、ヒンドゥー社会との共存も模索しました。
クトゥブ・ミナールっていう有名な塔もこの時代に建てられたもので、今でもインドの観光地になってます。
現在のバングラデシュにあたる地域で生まれた独立王朝で、シャムスッディーン・イリヤース・シャーが創始者。ここはベンガル湾を使った海上貿易で栄え、インド世界と東南アジアをつなぐ架け橋にもなってたんです。
イスラム教とベンガル文化が融合したことで、独自の建築様式や文化が育ちました。
バーブルが建てたこの王朝は、ティムール家の末裔というバリバリの中央アジア貴族。その血統でインドに入り込み、北インドを再統一しました。中でもアクバル大帝やシャー・ジャハーンの時代は、「南アジアのルネサンス」とも言える文化の開花がありました。
アクバルはヒンドゥーにも寛容で、異教徒の重税を廃止したり、宗教融和を図りました。タージ・マハルもこの王朝の遺産です。
ヴィジャヤラーヤ・チョーラが興したこの王朝は、インド南部からスリランカ、東南アジアまで進出した海上帝国。ヒンドゥー教を支援しながら、港市国家との貿易を盛んにしました。
ブロンズ像や巨大な寺院建築が発展し、今でもタミル・ナードゥ州にその名残が残ってます。
ハリハラ1世とブッカ・ラーヤ1世の兄弟が創始したこの王国は、南インドのヒンドゥー王朝としてイスラム王朝に対抗。壮麗な都市遺跡ハンピがその栄華を物語っています。
文学・音楽・建築に力を入れ、宗教的・文化的な拠点となりました。
プリトビ・ナラヤン・シャハが18世紀にネパールの小国群を統一して王国を建国。彼の政策が現代ネパールの国境の基礎をつくったとも言われています。
中国とインドの間にあって、うまく立ち回りながら独立を維持しました。
ウゲン・ワンチュクが20世紀初頭に建国したブータン王国。現在も立憲君主制を維持していて、「国民総幸福量(GNH)」を掲げるユニークな国家運営で知られています。
近年では民主化も進みつつ、王室は今でも国民から高い信頼を受けています。
こうして見ると、南アジアの王政は宗教・文化・戦争・経済をがっつり動かしてたリーダーたちの連続だったってことがよくわかりますよね。王さまたちのダイナミックな動きから、今の国境や文化のカタチがどう出来たのかを想像すると、歴史ってめちゃくちゃ面白いと思いませんか?