
中央アジアといえば遊牧の草原や山岳地帯のイメージが強いかもしれませんが、実は歴史と現代が交差する大都市もあるんです。その代表格が、ウズベキスタンの首都であり中央アジア最大の都市、タシケント。この都市は、シルクロード時代から交通と文化の要所として栄え、今では中央アジアの経済・政治・学問の中心地になっているんです。この記事では、そんなタシケントの歴史と現在の姿をのぞいてみましょう!
タシケントは、ウズベキスタンの東部に位置する大都市で、中央アジアでは人口・経済規模ともにトップクラス。現在の人口は約270万人とされ、首都としてだけでなく、商業・交通のハブ都市としても存在感を放っています。
「タシケント(Tashkent)」という地名は、トルコ語系で「石の街」という意味。中央アジアの中心部にあり、中国・イラン・ロシア方面へと通じる道の交差点でもあることから、昔から人と物が集まる場所だったんです。
タシケントは1966年の大地震で大きな被害を受けたものの、その後ソ連式の近代都市として再建されました。今でも街の中には広々とした大通りや大きな団地、地下鉄など、ソ連的デザインが残っていて、それがまた独特の雰囲気を生んでいます。
じつはタシケントの歴史はかなり古く、シルクロード時代にはすでに交易都市として栄えていました。東西の文化が行き交う場所として、歴史的にとっても重要な拠点だったんです。
シルクロードといえばサマルカンドやブハラが有名ですが、タシケントはそれらに次ぐ物流の要所。地理的にもちょうど「分岐点」にあり、中国からのルートがカザフスタン方面やペルシャ方面へ分かれる中継点でした。物資だけでなく、仏教やイスラーム、ゾロアスター教などの宗教もここを通って広がっていったんです。
交易都市だったということは、人が集まり、文化が集まり、知識や技術も交流したということ。イスラーム時代には神学校(マドラサ)も建てられ、学問の街としても知られるようになります。現在のタシケントにもその流れを汲む大学や研究機関が多く、文化の中心としての役割を今も果たしているんです。
今のタシケントは、単なる歴史都市ではありません。中央アジアの経済と外交の中心地として、現代的な顔も持っています。
ウズベキスタン経済の中枢であるタシケントには、企業・銀行・政府機関が集中。外国からの投資も集まりやすく、再開発が進んでいます。観光業だけでなく、ITや教育分野にも力を入れていて、若者たちの活気も感じられますよ。
ウズベキスタンの主要空港はもちろんタシケントにあり、中央アジア諸国をつなぐ空と陸のハブとして機能しています。外国の大使館や国際会議も集中していて、外交の舞台としても欠かせない都市なんです。
タシケントって、派手さはないけど、昔も今も「中央アジアのつながりの中心」であり続けている都市なんですよね。シルクロードを行き交った商人たちの足跡の上に、ソ連時代のモダンな街並み、そして現代の活気が重なっている…。そんな時間の層を感じられるのが、この街のいちばんの魅力かもしれません。