南アジアのスポーツ文化|カバディ発祥の地!各国の伝統競技を知ろう

クリケットサッカーが人気なのは知ってるけど、南アジアにはそれ以外にも、知る人ぞ知る伝統スポーツがたくさんあるんです。特に注目したいのが、インド発祥のカバディ。体ひとつで勝負するこの競技、見た目以上に戦略的で、南アジアではプロリーグもあるくらいメジャーな存在なんですよ。
そして南アジアのスポーツ文化は、イギリス植民地時代の名残と、カバディのように地域ごとに伝わる伝統競技の融合によって形成されてきたんです。今回はそんなスポーツ文化の奥深さを、各国ごとに見ていきましょう!

 

 

インドの伝統競技

インドといえばまずクリケット。だけど実はもうひとつ、地元で大人気のスポーツがあるんです。それがカバディ。日本ではあまり知られてないけど、南アジアでは超メジャーな競技なんですよ。

 

カバディ

カバディは鬼ごっこ+格闘技みたいな競技。攻撃側の選手が「カバディ、カバディ…」と声を出しながら相手陣地に入り、触って戻ってくると得点。でも相手に捕まるとアウト。呼吸を止めて攻め、チームで囲んで守る、というシンプルだけど超奥深いスポーツなんです。

 

プロリーグ化で人気爆発

2014年にはプロ・カバディ・リーグ(PKL)が発足し、スター選手も誕生。TV中継やスポンサーもついて、今では若者の憧れのスポーツに成長しています。

 

クリケット

そしてやっぱり外せないのがクリケット。元々はイギリスのスポーツだけど、今やインドでは宗教並みに熱狂されています。ワールドカップともなれば街中が大盛り上がり。サッカーで言えばワールドカップ×甲子園×紅白くらいのインパクトです。

 

パキスタン・バングラデシュの伝統競技

これらの国々でもクリケットは大人気ですが、伝統的なスポーツも独自に受け継がれています。中には宗教的儀式と関係があるものや、農民の娯楽として広まった競技もあるんですよ。

 

マラカ、グシュティ

グシュティは伝統的なレスリング競技。土俵のような土のリングで、素手で技を掛け合います。競技者は「ペールワーン」と呼ばれ、強さだけじゃなく精神性も問われる存在なんです。
一方マラカ(Malakhra)はシンディ地方で見られる土俵系格闘競技。農村部では今でも人気があって、お祭りなどの時に開催されることも。

 

カバディ、ラティ・カヘラ

バングラデシュでは、カバディの人気も高く、国技にまで制定されています。それ以外にも、バンブースティックを使ったラティ・カヘラという伝統武術もあり、かつては自衛のために広まったとされています。

 

ネパール・ブータンの伝統競技

ヒマラヤの山々に囲まれたネパールやブータンでは、山岳地帯ならではのスポーツや身体技術が発展しています。宗教や民族儀礼とも密接につながっているのが特徴です。

 

登山と武道

ネパールは世界最高峰エベレストのある国。登山やトレッキングが人気なのはもちろん、地元民にとっては生活の一部。また、軍人として有名なグルカ兵の訓練などから、徒手武道や体術も広まりました。

 

弓道

ブータンでは「ダツェ(Datse)」と呼ばれる弓道が国技。的までの距離は140m近くもあるのに、当たる人が多いんです。試合中にはチームがダンスや歌で応援したり、ユーモラスなパフォーマンスもあって、文化イベントのような盛り上がりを見せます。

 

スリランカの伝統競技

スリランカでもクリケット人気は非常に高く、国民的スターも多く輩出されています。でも忘れちゃいけないのが、独自に発展してきた伝統格闘技の存在です。

 

アンガンポーラ

アンガンポーラ(Angampora)はスリランカの古武術で、打撃、関節技、武器術まで含まれる複合武道。かつては王族の護衛兵が身につけていたそうです。現在では一部の道場やイベントで復活し、文化遺産として守られています。

 

クリケット

スリランカのクリケット代表は世界的にも強豪。1996年のワールドカップ優勝は、今でも国民の誇りです。都市部では子どもたちが空き地でクリケットをする姿もよく見られます。

 

スポーツに宿る南アジアの「魂」

南アジアのスポーツは、単なる競技にとどまらず、その国の歴史や暮らし、精神文化を反映しています。特に格闘技系や武術には「身体の鍛錬を通じて精神を磨く」思想が根付いているのが特徴です。

 

カバディは「生き方」でもある

カバディでは、呼吸を止めて攻め、集中して守るというスタイルが求められます。この中に自制・勇気・冷静さなど、多くの人生哲学が込められていると言われています。

 

スポーツが伝統文化の入り口に

どの国でも、スポーツが「遊び」や「勝負」だけでなく、地域の誇りアイデンティティを支える存在になっているのが、南アジアならではの魅力。観るだけじゃなく、ちょっと調べてみるだけで、その背景にあるストーリーが見えてきますよ。

 

カバディにしろ弓道にしろ、南アジアの伝統スポーツは、ただの競技じゃなくて「文化そのもの」なんですよね。遊びの中に哲学があり、勝負の中に歴史がある。そう思って眺めてみると、スポーツ観戦もぐっと面白くなるはずです!