アジアの気候

アジアの気候

アジアはユーラシア大陸の大半を占める地域であり、広範囲ゆえ、地域による気候差が大きいです。東アジア(極東)、東南アジア、南アジア、北アジア、中央アジア、西アジア(中東・近東)の気候的特徴を見ていきましょう。

 

 

地域別の気候

東アジア(極東)の気候

季節風(モンスーン)による影響で、冬は寒くて乾燥し、夏は暑くて湿度が高く、雨が多いという特徴があります。夏には海から湿った風がくるので雨が多くなるのです。

 

該当国:日本、中国、韓国など。

 

東南アジアの気候

大部分が熱帯気候で、平均気温が25度程度と年間半袖で過ごせる気候となっています。雨期乾期がはっきりしている地域が多く、雨期には急な雷雨やスコールが見られます。

 

該当国:インドネシア、フィリピン、ベトナムなど。

 

南アジアの気候

季節風(モンスーン)の影響で雨期と乾期がはっきりしています。北の方は4〜6月は45度を超えることもあるほどの酷暑ですが、12月中旬〜1月下旬の冬季はそれなりに冷え込みます。南の方は年中暑いですが、北の夏季ほどの暑さはなく、年間通して気温差が少ない気候といえます。

 

該当国:インド、スリランカ、ネパールなど。

 

北アジアの気候

アジアの中でも高緯度地域なので、冷帯に属する地域が多いです。基本的に大部分は大陸性気候に支配されており、冬の寒さが際立ちます。つまり気温の年較差が大きく、東にいくほどその傾向が顕著です。

 

該当国:モンゴル、ロシアなど。

 

中東(西アジア)の気候

中東は広く地形的変化に富む地域ですので、夏に50度越えを記録する地域、冬に氷点下まで下がる地域などなど、地域によって様々な特徴をみせます。ただ全体としては暑くて乾燥しているのが特徴といえるでしょう。内陸部は寒暖の差が激しく、沿岸部は年間通して高温多湿で気温差が少ないです。

 

該当国:アフガニスタン、イラン、カタールなど。

 

 

アジアモンスーンとは

モンスーン(季節風)とは、アラビア語の「季節」を意味する「マウスィム」に由来する言葉で、季節によって吹く方向が変化する風のことを指しています。アジアではこのモンスーンによる季節変化が顕著で、アジアモンスーンと呼ばれ、その発生は正確に把握されています。例えば、日本で夏になるとジメジメと雨が多い日が続くのは、モンスーンが日本海を渡り、湿った空気を運んでくる事によるものです。

 

モンスーンの恵み

湿った空気を運んでくれるモンスーンは、アジア全域に多量の雨をもたらすので、農作物の栽培・生産がさかんに行えます。東南アジアでは豊富な雨と高温により、お米の二期作・三期作が可能となっています。アジアに世界の人口の60%もの人口を抱えることができるのは、モンスーンによる豊富な食糧資源の恵みのおかげでもあります。

 

アジアモンスーンの発生メカニズム

アジアモンスーンの源流は、5月中旬にアフリカ東岸のマダガスカル付近で発現します。そしてインド洋の多湿な空気の供給を受けながら北東へと流れ、1万キロもの旅路を経てアジアに達します。