ネパールの特徴と成り立ち

ネパールの国旗(赤地に白い月と太陽、二重の三角形)

ネパールの国旗(世界で唯一の非長方形の国旗)

出典:Wikimedia Commonsより

 

国の基本情報

国名 ネパール(Nepal)
※正式名称:ネパール連邦民主共和国
首都 カトマンズ(Kathmandu)
人口 約3,000万人(2024年推計)
面積 約147,180平方キロメートル
公用語 ネパール語
通貨 ネパール・ルピー(NPR)
政治体制 連邦共和制(2008年王制廃止)
主要宗教 ヒンドゥー教(国教ではないが多数派)、仏教など
国際的地位 ヒマラヤ観光と水資源に恵まれた内陸国。インドと中国の間で中立外交を模索
建国背景 1768年にゴルカ王朝によって統一され、2008年に王制廃止後は共和制国家へ移行。

 

ネパールって聞くと、ヒマラヤ、エベレスト、シェルパ族…そんな自然と登山のイメージが強いかもしれません。でも実は、古代からの王国文化と宗教的な多様性、そしてヒンドゥーと仏教が共存する「神々の国」なんです!今回はそんなネパールの特徴と成り立ちを、地理・歴史・文化・社会・経済までたっぷり掘り下げていきますよ!

 

 

ネパールの地理と基本情報

ネパール南アジアに位置する内陸国で、北に中国(チベット自治区)、南にインドと接しています。首都はカトマンズ、人口は約3000万人。面積は日本の約3分の1ほどで、縦に細長い山岳国家です。

 

自然と気候

世界最高峰エベレスト(標高8848メートル)を含むヒマラヤ山脈が国の北部を占め、中部は丘陵地帯、南部は平地(タライ地方)という3層構造の地形になっています。気候は亜熱帯から高山性気候までさまざまで、標高によってぜんぜん違います。

 

民族と宗教

多民族国家で、ネワール人タマン族グルン族シェルパ族など100以上の民族が暮らしています。宗教はヒンドゥー教徒が最多ですが、仏教イスラム教キリスト教も共存。仏教とヒンドゥーが融合した信仰スタイルも見られます。

 

ネパールの歴史と王国の終焉

ネパールは長らく山岳王国として独自の文化と政治体制を守ってきましたが、近代には大きな転換期が訪れます。

 

古代・中世の王国時代

古代には釈迦(ブッダ)誕生の地・ルンビニがあり、仏教がこの地から世界へ広がっていきました。中世にはマッラ王朝がカトマンズ盆地を中心に栄え、多くの寺院や建築文化を生み出しました。

 

近世・統一とラナ政権

18世紀後半、ゴルカ王朝のプラタープ・ナラヤン・シャハがネパールを統一。19世紀には軍事独裁色の強いラナ家が権力を握り、王制はあっても実質はラナ家の世襲支配が続きました。

 

近代・民主化と王政廃止

1950年代に民主化運動が起こり、ラナ体制は崩壊。その後も王制は続いたものの、2000年代に毛派ゲリラによる内戦(1996?2006年)が勃発。2008年、ついに王制は廃止され、ネパール連邦民主共和国が誕生しました。

 

政治体制と社会の課題

王政から共和制への転換は歴史的な一歩でしたが、安定した政治体制の構築はまだまだ途上。派閥争いや制度の不備に悩まされています。

 

共和制と新憲法

2015年には新憲法が制定され、ネパールは連邦制の民主共和国となりました。でも、少数民族の権利や地方自治の問題をめぐって抗議運動が起きたりも…。

 

自然災害とインフラ問題

2015年の大地震では約9000人が死亡し、今も復興の途中。山が多い地形なので交通や医療のインフラ整備も大きな課題なんです。

 

経済と現代の姿

ネパールの経済は農業が中心ですが、近年は観光業海外出稼ぎ労働者からの送金が経済を支える重要な柱になっています。

 

農業と自給自足

人口の大多数が農業に従事していますが、収益性が低く気候リスクも高いため、貧困層が多いのが現実。米・トウモロコシ・小麦などが主な作物です。

 

観光産業とヒマラヤ登山

トレッキング・登山ツーリズムはネパールの目玉。エベレストをはじめ、アンナプルナやランタンなどの名山を目指して、世界中から登山客が訪れます。仏教遺跡や自然公園も人気!

 

海外送金と経済依存

多くの若者が中東やマレーシア、韓国などに出稼ぎに行っていて、海外からの送金はGDPの20%以上にも。国内に働き口が少ないのが背景にあります。

 

 

ネパールの主な特徴一覧
  • ヒマラヤ山脈に囲まれた南アジアの内陸国
  • エベレストを含む世界の屋根
  • ヒンドゥーと仏教が融合した宗教文化
  • かつての王政国家で、2008年に共和制に移行
  • 観光業と海外送金が経済の柱
  • 民族・言語の多様性が豊か
  • 自然災害やインフラ未整備が課題

 

文化・言語・人々の暮らし

ネパールには、山の暮らしに根ざした素朴であたたかい文化があります。宗教と自然が日常の中にしっかり溶け込んでいて、どこか懐かしさを感じさせるんです。

 

言語と民族の個性

公用語はネパール語ですが、各民族ごとに固有言語を持っていて、30以上の言語が日常的に使われているほどの多様性があります。教育では英語も取り入れられています。

 

食文化と生活習慣

主食はダルバート(豆スープとごはんのセット)。ネパールの食卓には、野菜やスパイス、漬物がいっぱいで、素朴だけど味わい深い家庭料理が楽しめます。

 

祭りと信仰

ヒンドゥー教と仏教の祭りが入り混じっていて、年中何かしらの祝祭があります。ダサイン(ヒンドゥー最大の祭り)ティハール(光の祭り)は街じゅうがにぎやかに!

 

ネパールは、「小さいけれど高い国」。険しい山々の中に、多民族、多宗教、多言語という豊かな文化がぎゅっと詰まっていて、人々は誇りを持って暮らしているんです。観光地だけじゃない、その奥にあるネパールの深さを、ぜひ感じてみてくださいね!