
ベトナムの国旗
出典:Wikimedia Commonsより
国の基本情報 |
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国名 | ベトナム(Vietnam) ※正式名称:ベトナム社会主義共和国 |
首都 | ハノイ(Hanoi) |
人口 | 約1億人(2024年推計) |
面積 | 約331,000平方キロメートル |
公用語 | ベトナム語 |
通貨 | ドン(VND) |
政治体制 | 社会主義一党制(共産党統治) |
主要宗教 | 仏教、カトリック、道教など |
国際的地位 | ASEANの重要メンバー。近年は輸出拠点として急成長 |
建国背景 | 1976年、北ベトナムと南ベトナムが統一し、社会主義国家として再建された。 |
ベトナムって聞くと、「ベトナム戦争」や「フォー(料理)」を思い浮かべる人が多いかもしれませんね。でも実は、2000年以上にわたる中国との関係やフランス植民地時代、社会主義国家としての成長など、多重構造の歴史を持つ、ものすごく奥深い国なんです。今回はそんなベトナムの成り立ちと今の姿を、地理・歴史・文化・社会などの視点からがっつり紹介していきます!
ベトナムは東南アジアのインドシナ半島東部にあって、南北に細長い地形が特徴的な国です。北は中国、西はラオスとカンボジアと接し、東側は南シナ海に面しています。
首都は北部のハノイ、最大の商業都市は南部のホーチミン(旧サイゴン)です。北は四季がある温帯気候、南は常夏の熱帯気候という風に、地域ごとの気候差が大きいんです。
紅河(ホン川)流域とメコン川デルタは、古くから稲作を支えてきた豊かな大地。特にメコン川は東南アジア屈指の「穀倉地帯」として知られています。
ベトナムの歴史は、とにかく中国との関わりが深く、かつては約1000年にわたって中国に支配されていました。その後も列強の植民地、冷戦下の代理戦争と、波乱万丈の展開が続きます。
紀元前111年から約1000年間、中国王朝による支配が続きました。漢字や儒教など、中国文化の影響を色濃く受けつつも、ベトナム人は独自のアイデンティティを守り続けてきたんです。
10世紀に呉朝・李朝・陳朝など独立王朝が誕生し、次第に中国から離れた独自の国家体制を築きます。ときには元や明といった大国とも戦って、自立を守りました。
19世紀後半、フランスの植民地帝国に組み込まれ、「フランス領インドシナ」の一部に。教育や建築などに西洋の要素が入り込む一方で、搾取と支配の時代でもありました。
第二次世界大戦後、独立を求める動きが高まり、ホー・チ・ミン率いるベトミンが活躍。1945年にベトナム民主共和国(北ベトナム)として独立を宣言します。
冷戦時代、南の資本主義・親米派の南ベトナムと、北の共産主義・親ソ派の北ベトナムが激突。アメリカも巻き込んだベトナム戦争(1955?1975年)は世界中に衝撃を与えました。最終的に1975年、北が勝利し、ベトナム社会主義共和国として統一されました。
今のベトナムは、社会主義国家なんですが、中国とはちょっと違って、市場経済も取り入れた独自のスタイルなんです。
ベトナムは共産党による一党独裁体制。でも1986年から「ドイモイ(刷新)」と呼ばれる経済改革を始めて、市場経済を導入。それで一気に経済成長と国際化が進んだんです。
現在はASEAN加盟国として、周辺国や欧米ともバランスよく付き合っています。アメリカとも戦後和解して、今では貿易相手としても重要な関係に。
歴史的に因縁がある中国とは、経済的に深く結びつきながらも、領土問題や政治的警戒感があるという、ちょっと緊張した関係です。
社会主義国なのに経済は元気、というのがベトナムの面白いところ!若い世代が多くて、活気と変化にあふれた国なんです。
ドイモイ以降、外国企業がこぞって進出。縫製・電子部品・食品加工などの工業化が進み、今ではアジアの工場のひとつとも言われています。
人口は1億人近く、平均年齢は30歳前後。若い働き手が多く、経済成長の原動力になっています。一方で、教育・インフラ整備・都市集中などの課題も。
ハノイやホーチミンなど都市部は近代的でグローバルな雰囲気ですが、農村部ではまだ生活インフラや医療の整備が遅れているところもあります。
ベトナムはアジア・フランス・社会主義という3つの文化がミックスされたユニークな国。食べ物も建築も、そこにしかない魅力でいっぱいです。
フォーやバインミー、ゴイクン(生春巻き)など、ヘルシーでフレッシュな料理がたくさん。中国の影響を受けつつも、ハーブを使った独自の風味が魅力です。
パンやコーヒー、建築様式にはフランス植民地時代の名残が色濃く残っています。ハノイの街並みには、ヨーロッパの風がほんのり香ります。
仏教や祖先崇拝が生活に根付いていて、旧正月(テト)は一年で一番大事な行事。民族衣装アオザイを着てお祝いする光景はとっても素敵です。
ベトナムって、過去の戦争だけじゃなくて、「中国文化を取り入れながらも独自性を築き、社会主義と市場経済を両立させ、今なお成長し続けるダイナミックな国」なんです。古き良き伝統と、若さあふれる活気が共存するこの国を、ぜひ新しい目で見てみてくださいね!