スリランカの特徴と成り立ち

スリランカの国旗(黄金のライオンと剣、緑とオレンジの縦帯)

スリランカの国旗

出典:Wikimedia Commonsより

 

国の基本情報

国名 スリランカ(Sri Lanka)
※正式名称:スリランカ民主社会主義共和国
首都 スリ・ジャヤワルダナプラ・コッテ(議会)/コロンボ(商業中心)
人口 約2,200万人(2024年推計)
面積 約65,610平方キロメートル
公用語 シンハラ語、タミル語(英語も使用)
通貨 スリランカ・ルピー(LKR)
政治体制 共和制(大統領制)
主要宗教 仏教(多数派)、ヒンドゥー教、イスラム教、キリスト教
国際的地位 インド洋の戦略的拠点。内戦と経済危機からの再建が課題
建国背景 1948年にイギリスから独立。長年のシンハラ・タミル民族対立による内戦は2009年に終結。

 

スリランカって聞くと、紅茶やカレー、リゾート地のイメージがあるかもしれません。でも実は、仏教文化が色濃く息づく歴史ある島国であり、多民族・多宗教の共存と対立を経て現代へとたどり着いた、奥深い国なんです。今回はそんなスリランカの特徴と成り立ちを、地理・歴史・文化・社会・経済の面からたっぷり解説していきます!

 

 

スリランカの地理と基本情報

スリランカ南アジアインド南東のインド洋に浮かぶ島国で、「インドの涙」なんて呼ばれることもあります。首都はスリ・ジャヤワルダナプラ・コーッテですが、政治経済の中心はコロンボ。人口は約2200万人で、面積は北海道よりやや小さいくらいです。

 

自然と気候

中央部に高原地帯が広がり、ここで有名なセイロン紅茶が栽培されています。気候は熱帯モンスーン気候で、雨季と乾季があり、地域によってモンスーンの時期が違うのが特徴。北東と南西で雨季のタイミングがずれるんです。

 

民族と宗教

多数派はシンハラ人で、主に上座部仏教徒。一方、少数派としてタミル人がいて、こちらはヒンドゥー教徒が中心。さらにイスラム教徒(ムーア人)キリスト教徒もいて、多民族・多宗教社会としての一面もあるんです。

 

スリランカの歴史と独立の物語

スリランカの歴史はとにかく長くて、仏教文化や交易拠点としての重要性、そして植民地支配と民族間の緊張という流れの中で育まれてきました。

 

古代王朝と仏教の伝来

紀元前3世紀ごろにアヌラーダプラ王国が成立し、インドからアショーカ王仏教が伝えられました。この時期からスリランカは上座部仏教の中心地として栄えます。

 

中世の王朝と宗教融合

時代が進むとポロンナルワ王国

 

ヨーロッパ列強の支配

16世紀にはポルトガルオランダイギリスインド南部からタミル人労働者を大量移住させたため、民族構成が大きく変化しました。

 

1948年の独立と民族間の火種

第二次世界大戦後、イギリスから平和的に独立。当初は「セイロン」という国名でスタートしますが、政治の実権を握ったシンハラ人によるタミル人差別が深まり、のちの対立へとつながっていきます。

 

シンハラ・タミル間の対立と内戦

1983年からLTTE(タミル・イーラム解放の虎)による分離独立運動が激化し、スリランカ政府との内戦が始まります。この内戦は2009年まで続き、約26年間にもおよぶ長期戦争となりました。

 

政治体制と社会の課題

内戦が終結してからは民主制国家として再出発しましたが、今も課題が山積み。政治不信や経済危機もあり、国民の不満は根強いんです。

 

大統領制と政治混乱

スリランカは大統領制を採用していて、行政の権限が強いタイプの政府です。でも、2022年には経済危機をきっかけに大統領が辞任するという事態も起き、政治の安定性には課題あり…。

 

経済不況と社会不安

観光業の失速、輸入品の価格高騰、債務問題が重なって、深刻な経済危機に。2022年には燃料や食料が不足し、デモが全国に広がりました。今も国際支援と財政改革が必要とされています。

 

経済と現代の姿

経済の柱は農業、繊維産業、観光業の3本柱。でも、どれも外的要因に左右されやすいという弱点もあります。

 

セイロン紅茶と農業

セイロンティーのブランドは世界中に広がっていて、イギリスのアフタヌーンティーでもおなじみ。中央高地での茶葉栽培は今もスリランカ経済の象徴です。

 

繊維産業と輸出

衣料品の輸出も盛んで、バングラデシュやベトナムと並んでグローバルな縫製拠点として存在感があります。ただし、低賃金労働や待遇の問題も指摘されてます…。

 

観光とインフラ開発

仏教遺跡やビーチリゾートを活かした観光立国を目指してきましたが、コロナ禍で大打撃。現在は中国からの投資を受けながら、港湾や高速道路の整備が進められています。

 

 

スリランカの主な特徴一覧
  • 南アジアのインド洋に浮かぶ島国
  • 仏教文化と紅茶で知られる
  • シンハラ人とタミル人の多民族国家
  • 1948年にイギリスから独立
  • 1983?2009年に内戦を経験
  • 紅茶・繊維・観光が経済の柱
  • 近年は中国との経済連携が強化中

 

文化・言語・人々の暮らし

スリランカの暮らしには、仏教の教えと自然との共生がしっかり息づいています。ゆったりした時間と、穏やかな人々の姿が印象的です。

 

言語と教育

公用語はシンハラ語とタミル語。英語も教育で広く使われていて、識字率も90%以上と高水準。教育は国の誇りでもあるんです。

 

食文化と日常

毎食カレーが基本で、お米とスパイスが主役。ココナッツミルクやレンズ豆のカレー、魚のカレーなど、地域によってバリエーションが豊富。朝からカレーってのも珍しくないんですよ!

 

祭りと信仰

ポヤ・デー(満月の日)は毎月のようにある祝日で、仏教の行事が中心。中でもキャンディのペラヘラ祭は象と仏歯の行列が登場する壮観なお祭り!多宗教国家ならではのヒンドゥー教やイスラム教の祭事も共存しています。

 

スリランカは、ただの「紅茶の国」じゃありません。仏教の深い信仰、多様な文化、そして困難を乗り越えて生きる人々の姿が詰まった、美しさと強さを兼ね備えた国なんです。旅行気分で終わらせず、その背景にあるストーリーにもぜひ触れてみてくださいね!