
ブルネイの国旗
出典:Wikimedia Commonsより
国の基本情報 |
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国名 | ブルネイ(Brunei) ※正式名称:ブルネイ・ダルサラーム国 |
首都 | バンダルスリブガワン(Bandar Seri Begawan) |
人口 | 約45万人(2024年推計) |
面積 | 約5,770平方キロメートル |
公用語 | マレー語 |
通貨 | ブルネイ・ドル(BND) |
政治体制 | 絶対君主制(スルタン制) |
主要宗教 | イスラム教(国教) |
国際的地位 | 石油と天然ガスに依存する裕福な国家。ASEAN加盟 |
建国背景 | 1984年、イギリスから完全独立。スルタンによる統治が続く。 |
ブルネイって、東南アジアにある小さな国だけど、実は「めちゃくちゃお金持ち」って聞いたことありませんか?でもその背景には、豊かな石油資源とイスラム王朝の統治、そして独自の文化と保守的な価値観が深く関係しているんです。今回はそんなブルネイの地理・歴史・政治・経済・社会の面から、その魅力と謎にせまってみましょう!
ブルネイはボルネオ島の北部に位置し、国土のほとんどがマレーシアのサラワク州に囲まれています。面積は三重県と同じくらいで、人口はわずか40万人程度。首都はバンダルスリブガワンです。
国土の約75%が熱帯雨林で覆われていて、自然保護に力を入れているのが特徴。観光業もこのエコツーリズムに重点を置いています。川の上に人が暮らす水上集落(カンポン・アイール)もブルネイらしい風景ですね。
ちょっと不思議なんですが、ブルネイは2つの飛び地に分かれているんです。大きいほうが首都側の本土、小さいほうがテンブロン地区。このテンブロンが、いわゆる「ボルネオのアマゾン」と言われる大自然エリアです。
ブルネイの歴史は、周辺の海洋アジアと深くつながっていて、とくにイスラム化とマラッカ海峡交易の影響が大きいんです。
もともとはヒンドゥー・仏教の文化圏だったブルネイですが、14世紀後半?15世紀ごろにイスラム教を受け入れ、ブルネイ・スルタン国が成立します。これは今でも続く、長い王朝の始まりです。
16世紀には、スルタン国はボルネオ島の広範囲やフィリピン南部まで支配を拡大。まさに海洋交易の拠点として繁栄しました。ただし、その後はスペインやオランダ、イギリスとの勢力争いで縮小していきます。
19世紀末にはイギリスの保護国となり、半ば形式的な王政が続きますが、1984年にようやく完全独立。そこからは、スルタンによる絶対君主制が再び本格化します。
ブルネイの政治は、ちょっと特別。国王=スルタンが、行政・司法・立法の全権を持つ絶対君主制なんです。
現スルタンのハサナル・ボルキア国王は、世界でも有数の資産を持つ王族として有名。政治的にも首相・財務相・国防相などを兼任していて、まさに一人で国を動かしている存在です。
2014年から段階的にイスラム法(シャリーア)が導入されていて、特に道徳や刑罰に関しては厳格な面もあります。たとえば飲酒の禁止、公の同性行為の禁止などがその一例です。
一応諮問議会は存在しますが、選挙はなく、国王が議員を指名します。民主的な制度とは言えませんが、国民の多くは王政に支持的なのが現状です。
ブルネイの経済を一言で言うなら、「石油のおかげで超リッチ」な国!でもそこには、安定とリスクが共存してるんですよ。
輸出のほとんどは石油と天然ガスで、政府収入の9割以上を占めています。国民の生活は豊かで、医療や教育がほぼ無料。しかも所得税なしという太っ腹な政策まであります!
でも、石油が枯れたらどうするの?というのが目下の課題。観光業やIT、農業の近代化など経済の多角化に取り組んではいるものの、まだまだ資源頼みの構造は変わっていません。
国民の多くは公務員か国営企業に勤めていますが、建設や飲食などの現場労働は外国人労働者に依存している面もあります。フィリピン人やインドネシア人の出稼ぎ労働者がたくさんいます。
ブルネイの社会は、イスラム教に基づいた伝統と近代的な生活がミックスされた、ちょっと不思議で魅力的な空間なんです。
国教はイスラム教スンナ派で、日常のあらゆる面にイスラム的価値観が反映されています。金曜はモスクで礼拝の日。ラマダンの断食も国民行事としてしっかり根付いています。
食文化はマレー料理をベースに、中華やインドの影響も入っています。宗教上、豚肉やアルコールはNGですが、代わりにスパイスたっぷりの料理が楽しめますよ。おもてなしの心も厚く、親切な人が多い印象です。
報道やSNSは政府による厳しい規制があり、表現の自由はあまり保障されていません。ただし、安定した治安と秩序ある社会が保たれているのも事実です。
ブルネイって、小さい国なのに存在感がある理由は、「石油と王権、そしてイスラム的価値観をベースにした独自の統治スタイル」にあるんです。西洋的な民主主義とは違うけれど、国民の多くが安定を実感していて、幸福度も高い。そんなブルネイを、アジアの「もうひとつの成功モデル」として見てみると、ちょっと世界の見方が変わるかもしれませんよ。