南アジアとは、アジア大陸南部、インド半島を中心としたアジア大陸南部地域を指す概念です。北側をヒマラヤ山脈、西側をスライマン山脈とインダス川、南側をインド洋に囲まれており、山、森林、サバンナ、砂漠、熱帯雨林、多様な自然が広がっています。かつては独立した大陸であったことから、「インド亜大陸」とも呼ばれています。日本と同様に、津波や地震など自然災害が多い地域で、これにより歴史ある文化遺産が破壊されることも珍しくありません。
インド、パキスタン、バングラデシュ、スリランカ、モルジブ、ネパール、ブータン
南アジアでは、前3000〜前1500年頃、世界最古の文明の一つインダス文明が栄えました。その後もマウリヤ朝(前4-前2世紀)、クシャーナ朝(1-3世紀)、グプタ朝(4-6世紀)、ムガル帝国(16−19世紀)など数々の強大な王朝の存亡が起こりました。
南アジアには古来より、様々な勢力が分立していました。インドだけでも数百の藩王国がありましたが、19世紀末から20世紀前半にかけ、イギリス支配のもとで諸勢力が統合されていきました。しかし19世紀末からナショナリズムが高まり、反英運動が活発化。20世紀後半から次々と自治独立していき、今の南アジア諸国が形成されるにいたっています。
紀元前1500年頃から外来文化が流入するようになり、東アジア、東南アジアやヨーロッパ、中東との交流も頻繁に行われるなど、中央アジア文化の形成に重大な影響を与えました。使用される言語はインド・ヨーロッパ系、ドラヴィダ系が中心で、細かく分けると1000を超える言語が話されています。またイギリスに支配されていた名残から、公用語に英語を採用している国が多いです。ヒンドゥー教、イスラム教が主に信仰されていますが、仏教、キリスト教の信仰者も多く、宗教的にも多様な地域です。
南アジアは日本の13〜14倍ほどの面積があり、20億人近い人口を擁しています。今後さらに増えていき、2050年には22億人にまで達するといわれています。産業としては農業がさかんですが、生産される作物は地域によって異なり多様です。沿岸部では漁業もさかんに行われています。