東アジア諸地域は、中国(漢文化)の圧倒的影響力のもと形成された文化圏です。そのため日本、韓国、台湾、ベトナムなど東アジアに属する国々では、中国の影響を受けた言語が使用されています
長らく文字が存在しなかった日本に文字をもたらしたのも中国です。日本は今でこそ独自性の強い言語を使用していますが、日本語の語彙の大部分は中国起源で、かつては漢文を書き言葉にしていたのです。一方で日本で作られた漢字が中国に逆輸入され「和製漢語」が誕生したように、中国から東アジア諸地域へ、東アジア諸地域から中国へ、といったように相互に影響を受け発達していったのが東アジアの言語史といえるでしょう。
東アジアの言語は複数の語族に分類され、最上位の言語区分としては、シナ・チベット語族、オーストリック大語族、アルタイ諸語などが挙げられます。
中国、インドシナ半島、アッサム、ヒマラヤ地域などに分布する語族です。この語族には約300もの言語が属し、一般的に、中国語(漢語)、タイ諸語、チベット・ビルマ語派の3派に分けられます。
中国南部に分布する仮説段階の大語族です。オーストロアジア語族、オーストロネシア語族、タイ・カダイ語族、モン・ミエン語族などが含まれます。
中国やモンゴル、シベリアなどに分布する語族です。チュルク諸語、モンゴル諸語、ツングース諸語の総称。親族関係がまだ明らかになっていない日本語や朝鮮語も、一説によればこの系統に属するといわれています。
東アジアで英語が通じる文化圏は多くありませんが、香港はかつてイギリスの植民地であったことから、英語が公用語になっており、比較的通じる「準英語圏」といえます。あくまで一般的な香港人が共通語に使っているのは広東語なので、どこでも誰にでも、というわけにはいきませんが、ビジネスや観光の中心地ではかなりの確率で英語が通じます。