東南アジアは、アジア大陸南東部にある、インドシナ半島とマレー諸島で構成される地域です。赤道を中心に南北に広がり、大陸部(ミャンマー,タイ,ラオス,カンボジア,ベトナム)と島嶼部(マレーシア,シンガポール,インドネシア,ブルネイ,フィリピン)の国々に分けられます。大部分がモンスーンの影響が強い熱帯雨林気候に属し、農業分野では米、工業分野ではスズ、鉱物、木材など、気候に適応した生産活動が活発です。
またこの地域は、太平洋、インド洋、アジア大陸とオーストラリア大陸の中継点にあたる交通の要衝と認識されています。16世紀以降ヨーロッパ人の進出が進み、19世紀以降は地政学的に重要な場所として、ほぼ全領域がヨーロッパ諸国に植民地支配されました。これにより東南アジア諸国の古い王朝は、タイをのぞき全て滅亡したため、属する国の大半が大戦後に独立を遂げた新興国となっています。
東南アジアは歴史的、文化的にある一定の共通性、統一性があるため国際的にはまとまった一地域として認識されています。その一方で、海路を辿れば、どこからでも容易に入れることから、古くから異文化交流がさかんで、言語、民族、宗教的に多様な地域としても知られます。大陸部はインド文明・中国文明、島嶼部はイスラム文明の影響を受け発展してきました。もともとあった土着の文化(アニミズムなど)を基盤に、他の様々な地域の外来文化が重なって成立したものが、「東南アジア文化」といえます。
「東南アジア」という呼称が使われ始めたのは、比較的最近のこと。1830年代に考古学・民俗学用語として初めて登場しています。地理的な概念として定着したのは、第二次世界大戦初期に連合軍の作戦領域名として使われ出してからです。
ミャンマー,タイ,ラオス,カンボジア,ベトナム
マレーシア,シンガポール,インドネシア,ブルネイ,フィリピン