バングラデシュの特徴と成り立ち

バングラデシュの国旗(緑地に赤い円)

バングラデシュの国旗

出典:Wikimedia Commonsより

 

国の基本情報

国名 バングラデシュ(Bangladesh)
※正式名称:バングラデシュ人民共和国
首都 ダッカ(Dhaka)
人口 約1億7,000万人(2024年推計)
面積 約147,600平方キロメートル
公用語 ベンガル語
通貨 バングラデシュ・タカ(BDT)
政治体制 共和制(議会制民主主義)
主要宗教 イスラム教(スンニ派中心)、ヒンドゥー教
国際的地位 衣料品輸出国として台頭。人口密度が非常に高い
建国背景 1971年、東パキスタンから独立し、バングラデシュとして建国。インドの支援を受けた独立戦争を経た。

 

バングラデシュって聞くと、洪水、縫製産業、人口密度が高い国…なんてイメージがあるかもしれませんね。でも実は、豊かなデルタの大地で育まれた古代文明の末裔であり、「言葉と文化」を守るために独立を勝ち取った歴史を持つ、誇り高い国なんです。今回は、そんなバングラデシュの特徴と成り立ちを、地理・歴史・文化・社会・経済からまるっと解説していきます!

 

 

バングラデシュの地理と基本情報

バングラデシュ南アジアにある国で、インドにほぼ囲まれるような形で位置していて、南はベンガル湾に面しています。首都はダッカ、人口はなんと約1億7千万人と、日本の1.5倍近く!面積は日本の約4割ほどなのにこの人口密度…世界屈指の過密国家です。

 

自然と気候

国土の大部分がガンジス川・ブラマプトラ川・メグナ川がつくるデルタ地帯で、地形はとっても平坦。毎年モンスーンの雨サイクロン、そして洪水に悩まされがちなんです。気候は熱帯モンスーン気候で、夏は湿気たっぷり、冬は乾燥して過ごしやすい感じ。

 

民族と宗教

住民のほとんどがベンガル人で、使われている言語はベンガル語(バングラ語)。宗教はイスラム教(スンナ派)が9割以上を占めていて、世界で4番目にイスラム教徒が多い国なんですよ。でも少数ながらヒンドゥー教徒仏教徒もいて、宗教的多様性も見られます。

 

バングラデシュの歴史と独立の物語

バングラデシュは「もともとインドの一部だった」→「パキスタンの一部になった」→「そこからまた独立した」という、かなり波瀾万丈な経緯をたどってます。

 

古代からムガル帝国時代

この地には古くからガウダ王国パーラ朝などのベンガル文化圏の王国が存在していて、後にはイスラム教の支配も入り混じりながら、独自の宗教観と文化が育ちました。16世紀以降はムガル帝国の一部として発展します。

 

イギリス統治下のベンガル

18世紀にはイギリス東インド会社が支配を強め、のちにイギリス領インド帝国へ。首都ダッカを含む東ベンガル地域は商業・農業の拠点として重視されましたが、度重なる干ばつや搾取で多くの犠牲も…。

 

1947年のインド・パキスタン分離

イギリスからの独立時、イスラム教徒の多い地域として「東パキスタン」としてパキスタンの一部に。しかしここからが問題。西側(現在のパキスタン)と文化も言語も全然違うのに、同じ国とされてしまったんです。

 

言語運動と政治的不満

1948年、中央政府がウルドゥー語を国語にしようとしたことに対して、ベンガル人たちが猛反発!1952年にはダッカで言語運動の学生が警官隊に射殺される事件が発生。これが独立への原点になったんです。

 

バングラデシュ独立戦争(1971年)

1971年、政治・経済格差と弾圧への怒りが爆発して独立を宣言。これに対してパキスタン軍が軍事行動を取り独立戦争が勃発。インドの支援もあり、同年12月にバングラデシュは正式に独立!この戦争では約30万人以上の死者が出たとも言われています。

 

政治体制と社会の課題

独立後のバングラデシュは議会制民主主義を採用していて、いちおう選挙で選ばれた政権が運営しています。でも実際は、二大政党の対立政争・汚職が絶えないんです…。

 

アワミ連盟とBNP

独立の立役者アワミ連盟と、対抗勢力のバングラデシュ民族主義党(BNP)が交互に政権を担ってきました。特にシェイク・ハシナ首相は現在の実力者で、長年政権を維持しています。

 

自然災害と貧困

洪水・サイクロン・干ばつなどの自然災害が多く、農村部では今も貧困率が高め。でもその中でも人々は懸命に生きていて、NGO活動や女性の社会進出も少しずつ広がっています。

 

経済と現代の姿

経済的には発展途上国ではあるものの、実は近年急成長中なんです!特に衣料産業海外労働者からの送金が大きな柱。

 

世界の縫製工場

バングラデシュは世界第2位の衣料品輸出国!ユニクロやH&Mの製品もバングラデシュ製が多いんです。ただし、低賃金・労働環境の問題も深刻…。

 

労働者の海外送金

多くの国民が中東や東南アジアなどに出稼ぎに行っていて、送金はGDPの10%以上にも。これが国の経済を支えているんです。

 

 

バングラデシュの主な特徴一覧
  • 南アジアの人口密度世界一級の国
  • インドに囲まれ、ベンガル湾に面するデルタ地帯
  • ベンガル語とイスラム文化が基盤
  • 1947年に東パキスタンとして誕生、1971年に独立
  • 言語運動が独立の引き金になった
  • 衣料品輸出が主力、海外送金も大きな柱
  • 自然災害が多く、環境問題も重要テーマ

 

文化・言語・人々の暮らし

バングラデシュは、庶民的で温かい文化が魅力。言葉や音楽、料理、暮らしの中に、ベンガル人の誇りと優しさが詰まってるんです。

 

言語と誇り

ベンガル語は単なる言語じゃなくて、「アイデンティティの象徴」。独立の原点が言語運動にあったからこそ、教育や芸術にもその誇りが強く残っています。

 

食文化と家庭料理

米と魚を中心にしたベンガル料理が主流。代表的なのはイリッシュ(川魚)のカレービリヤニ。甘いお菓子も多くて、ロショゴッラミスティドイ(甘いヨーグルト)なんかが有名!

 

暮らしと人々の価値観

家族や地域のつながりを大事にする文化で、お祭りや結婚式は超にぎやか!貧しくても助け合いの精神が根づいていて、素朴で温かい人が多いんです。

 

バングラデシュは、ただの「貧しい国」じゃありません。言葉を守るために戦い、独立を勝ち取った人々の誇りと、困難の中でも懸命に生きる姿がある国なんです。数字だけじゃ測れないその「強さ」、ぜひ感じ取ってもらえたらうれしいです!