東南アジアの野菜雑学|香味野菜の種類は?生食文化がないって本当?

野菜って、どこの国でも日常の食卓に欠かせない存在ですよね。でも、東南アジアの野菜文化は日本とかなり違うんです。例えば、あまりサラダのような「生食文化」がないって知ってましたか?それに、日本では薬味程度にしか使わない香味野菜が、メイン級の存在感で使われたりするんです。

 

この記事では、そんな東南アジアの野菜にまつわる雑学をお届けします。日常の料理に登場する代表的な香味野菜や、生野菜をあまり食べない背景、地域ごとの調理スタイルなど、身近な食材を通して見えてくる文化の違いに注目です!

 

 

東南アジアの香味野菜といえば?

香味野菜とは、料理の風味付けや臭み消しに使われるにおいやクセの強い野菜のこと。東南アジアでは、この香味野菜の使い方がとにかく豊富なんです。

 

炒め物やスープ、和え物など、さまざまな料理の中にしっかり組み込まれていて、むしろ香味野菜がないと成立しない!って料理もたくさんあるんですよ。以下の香味野菜は、どれも現地の料理にガッツリと使われていて、調味料としても食材としても二刀流な存在です。

 

レモングラス

レモングラスは、東南アジア料理を語るうえで欠かせない代表的な香味野菜です。特にタイの名物スープ「トムヤムクン」には必須の素材で、料理に爽やかな柑橘系の香りを加えてくれます。
葉っぱ部分ではなく、下の白い茎の部分を叩いて潰すことで香りが立ち、煮込み料理やハーブティーにも重宝されます。抗菌作用があるとも言われ、風邪予防や消化促進のために民間療法的にも使われている万能ハーブなんですよ。

 

カー(タイ生姜)

カーは日本の生姜とは異なり、シャープでスパイシーな香りが特徴のタイ原産のショウガの仲間。繊維が多く、そのまま食べるというよりは、スライスして煮込んで香りを移す使い方が一般的です。
タイ料理のスープやカレー(ゲーン)には必ずと言っていいほど使われ、肉や魚の臭みを消しつつ、料理に深みを出してくれます。冷え性や胃腸の働きを整える効果もあるとされ、東南アジアでは薬草的な存在でもあります。

 

バイマックルー(コブミカンの葉)

バイマックルーは、コブミカンという柑橘類の葉っぱで、香りがレモンとライムを混ぜたような鮮烈さを持つ香味野菜です。細くちぎったり、ちょっと揉んでから加熱することで、料理全体に香りがふわっと広がります。
炒め物やスープ、カレーの香りづけに用いられるほか、魚料理との相性も抜群。葉をそのまま食べることは少ないですが、存在感はピカイチです。タイ料理だけでなく、ラオスやカンボジアの料理にも登場します。

 

にんにく

にんにくは、日本でもおなじみの香味野菜ですが、東南アジアではその使用頻度と量が段違い!ほぼすべての料理にと言っていいほど登場し、炒め物、スープ、ディップ、調味油など多彩な形で使われます。
刻んで炒めると香ばしい香りが立ち、料理にコクと深みを加えてくれます。また、揚げにんにくとしてトッピングに使われることも多く、香ばしさと食感をプラスする役割も担っています。

 

赤たまねぎ(シャロット)

シャロットは、日本の玉ねぎよりも小ぶりで赤みがかった見た目をしていて、甘みと辛味のバランスが絶妙。炒めても美味しいし、生で刻んでサラダや付け合わせにも使われます。
特に、東南アジアでは香味油(フライドシャロット)としても重宝されていて、麺類や炒飯、スープの上にカリッとした食感で乗っていたら、それは大抵シャロット。素材の甘みが料理のアクセントになる優秀選手です。

 

パクチー

パクチー(コリアンダー)は、好き嫌いが分かれる代表格ですが、東南アジアでは超メジャーな万能ハーブ。葉っぱだけでなく茎や根っこまで料理に使われていて、生春巻き、フォー、タイのカレーやサラダなど、さまざまな料理の仕上げにたっぷり乗せられています。
独特の青臭さと香りが食欲を刺激し、脂っこい料理をさっぱりとまとめる役割もあります。パクチーが苦手な人は「なしで」と注文できる国も多いですが、現地の人にとっては「入ってないと物足りない」レベルなんです。

 

東南アジアの野菜文化

炒め物やスープなど、東南アジアの食卓に欠かせないのが豊富な野菜たち。日本のような「生野菜サラダ」はあまり見かけませんが、加熱調理を中心とした野菜の取り入れ方には、気候や文化、医食同源の考え方が色濃く反映されているんです。

 

サラダ文化がない?生で野菜を食べない理由

日本では生野菜=ヘルシーって感覚がありますが、東南アジアではあまり生のまま食べる文化がありません。実際、外食しても「サラダ」が出てくることは少ないです。

 

理由のひとつは、気候と衛生。高温多湿の東南アジアでは、生で保存・提供するには衛生管理が難しい環境だったため、火を通すのが安全策として主流になった背景があります。

 

加熱が基本の調理スタイル
  • 炒める(オイスターソースや魚醤との相性抜群)
  • 煮る(スープやカレーの具材として)
  • 蒸す(バナナの葉で包んで加熱)
  • グリル(バーベキュー文化と相性◎)

 

日本のようにシャキシャキ食感を楽しむというよりも、しんなりして味が染みた状態を好む傾向が強いんですね。

 

葉っぱ系野菜もよく食べる

東南アジアでは、見慣れない葉っぱ野菜もよく登場します。これらは加熱して食べるのが一般的で、クセがある分、香味野菜やスパイスと一緒に調理されることで味に深みが出ます。

 

よく使われる葉野菜の一例
  • 空芯菜(カンコン):シャキシャキ炒めが定番
  • モリンガ:スーパーフードとしても人気。煮込みに最適
  • キャッサバの葉:細かく刻んで煮込み料理に
  • バナナの花:煮物や炒め物の具材に。ちょっと酸味がある

 

こういった葉野菜は、地元の市場で日常的に売られている庶民の味。食卓では日本よりずっとバリエーション豊かに登場します。

 

発酵と香味のかけ合わせが面白い

香味野菜単体でもパンチがありますが、そこに発酵食品を加えることで、より一層クセになる味に仕上がります。例えば魚醤やシュリンプペーストと一緒に炒めたり、漬けたり。

 

この「香味×発酵」のかけ合わせが、東南アジア料理の奥深い味の決め手になっているんです。

 

野菜=薬効という発想も根強い

面白いのが、野菜を単なる食材ではなく、薬のように考える傾向もあること。特に香味野菜やハーブは「体を温める」「胃腸を整える」など、健康効果が期待される存在として扱われているんです。

 

おばあちゃんの知恵袋的に「風邪っぽいならカーを煮込んだスープを飲め!」なんていう家庭も多いんですよ。

 

日本では脇役になりがちな香味野菜たちが、東南アジアでは主役級の存在感で料理を引き立てているんです。そして「生で食べる」より「加熱して味わう」文化が根付いているのも興味深いところ。野菜を通して見える文化の違い、面白いですよね!旅行や食体験の際には、ぜひ香りや調理法にも注目してみてください♪