
中央アジアっていうと「パンと羊肉」のイメージが強いですが、実はお米もちゃんと食文化の中に根づいてるんですよ。しかも、カレーや丼とはまたちょっと違う、スパイスの香りが広がる独特の炊き方なんです。
中央アジアでは、灌漑の発達した地域で稲作が行われていて、「プロフ(ピラフ)」のような炊き込みご飯が日常の定番料理として親しまれているんです。今回は、そんな中央アジアのお米事情を探っていきましょう!
そもそも乾燥地帯のイメージがある中央アジアで、どうやってお米が育つのか気になりますよね。実は川と灌漑がカギなんです。
お米の栽培にはたっぷりの水が必要ですが、中央アジアには天山山脈やパミール高原から流れるシルダリヤ川やアムダリヤ川があります。この流域では古くから灌漑農業が行われていて、その一部で稲作も行われているんです。
とくにウズベキスタンのフェルガナ盆地やタジキスタン南部では、水の豊富な土地を活かしてお米が栽培されています。ただし、面積としては小麦や綿花に比べると控えめで、「限られた貴重な作物」って感じです。
中央アジアのお米料理といえば、なんといってもプロフ。これは地域や家庭によって具材も味も変わる、まさに「おふくろの味」的存在です。
プロフは、まず油でにんじんと肉を炒め、そこに洗った米と水を加えて炊き上げる料理。スパイスはクミンやバルベリーなどが定番で、香りがふわっと広がります。国や地域によって、ラム肉を使ったり、うずらの卵やレーズンが入ったりとアレンジも多彩。
プロフは日常の食卓でも出てきますが、結婚式や出産祝いなどお祝いごとの定番料理でもあります。祝宴では巨大な鉄鍋で何十人分も一気に炊き上げる光景が名物になっているんですよ。
「米=主食」というよりは、「米=とっておきのごちそう」に近いポジション。それでも、お米は確実に中央アジアの食文化の一部になっているんです。
中央アジアではパン(ナン)が日常の主食として定番なので、お米料理は「特別感」がある存在。とはいえ、ナンとプロフを一緒に出す家庭もあって、パンも米も楽しむのがこの地域ならではのスタイルです。
お米の種類は、日本のコシヒカリのような粘り気のある米ではなく、長粒米が主流。インドやパキスタンからの輸入米が使われることもありますが、フェルガナ盆地などでは地元産も栽培されています。
中央アジアのお米文化は、小麦と乳製品が中心の食文化の中に、灌漑農業という知恵とスパイス文化が融合した「特別な一皿」として根づいているんです。プロフの香りをかぐと、「ああ、中央アジアに来たなあ」と思う人も多いんですよ。普段の食卓とハレの日、どちらにも登場するこのお米料理、意外と奥が深いんです。