
マレーシアの国旗
出典:Wikimedia Commonsより
国の基本情報 |
|
---|---|
国名 | マレーシア(Malaysia) ※正式名称:マレーシア |
首都 | クアラルンプール(Kuala Lumpur) ※行政機能はプトラジャヤ |
人口 | 約3,400万人(2024年推計) |
面積 | 約330,000平方キロメートル |
公用語 | マレー語 |
通貨 | リンギット(MYR) |
政治体制 | 立憲君主制(輪番制の国王) |
主要宗教 | イスラム教(国教)、仏教、キリスト教、ヒンドゥー教 |
国際的地位 | ASEAN主要国。多民族・多宗教国家で経済発展が進む |
建国背景 | 1957年にイギリスから独立。1963年にマレーシア連邦としてシンガポール等と合併(後に分離)。 |
マレーシアって聞くと、「多民族国家」とか「東南アジアのハブ」なんて言われたりしますよね。でも、その背景には、海上交易で栄えた王国の歴史、植民地支配の記憶、そして多様な民族が共存してきた知恵と工夫があるんです。今回はそんなマレーシアの特徴と成り立ちを、地理・歴史・政治・文化・社会の面からやさしくひもといていきます!
マレーシアは東南アジアに位置する連邦国家で、実は2つのエリアに分かれています。西マレーシア(マレー半島側)と、東マレーシア(ボルネオ島の北部)です。首都はクアラルンプール、行政の中心はプトラジャヤ。
赤道近くにあるため、気候は熱帯雨林気候。1年中暑くて、スコールと呼ばれるスコーンと降る雨が特徴です。山もあれば、海もある、自然豊かな国なんですよ。
とくにボルネオ島の部分(サバ州・サラワク州)には世界有数の熱帯雨林が広がっていて、オランウータンなどの貴重な生物も暮らしています。
この国の成り立ちはとってもダイナミックで、交易、イスラム化、植民地支配、独立、そして多民族国家としての模索と、いろんなフェーズを経てきました。
15世紀にマラッカ王国が誕生。ここはイスラム教を国教化した最初のマレー国家であり、東西交易の要所として繁栄しました。アラブ、インド、中国など、さまざまな国と交易してたんです。
その繁栄を見た西洋列強が黙ってるはずもなく…。16世紀にポルトガル、次にオランダ、そして19世紀にはイギリスが支配します。イギリス時代にはインド系・中国系労働者が大量に導入され、今の多民族社会のベースができました。
第二次世界大戦中には日本軍が占領しますが、戦後にイギリスの支配が復活。その後、1957年にマラヤ連邦として独立し、1963年にはサバ・サラワク・シンガポールを加えてマレーシア連邦が誕生。なお、シンガポールは後に分離独立しました。
マレーシアの政治体制はちょっとユニーク。立憲君主制でありながら、選挙で国家元首(国王)が9人のスルタンの中から選ばれるという仕組みなんです!
マレーシアには9つのスルタン(イスラム君主)がいて、5年ごとにその中から輪番制で国王(ヤン・ディ・ペルトゥアン・アゴン)が選ばれます。これは世界でもかなり珍しい制度ですね。
マレー系、華人系、インド系が共存しているマレーシアでは、民族ごとの利害調整がとっても重要。だからこそ政治はときにデリケートで、政権交代や民族間の摩擦も少なくありません。
マレー系住民=ムスリムが基本というルールがあり、公的にはイスラムが国教ですが、宗教の自由も保障されています。街にはモスク、寺院、教会が並んでいることもよくあります。
マレーシアは東南アジアでも中所得国の代表格で、資源と工業、観光のバランスがうまく取れた経済モデルを持っています。
石油・天然ガス・パーム油・ゴムなどの資源が豊富で、それをベースに電子機器、車両部品などの工業も発展。外国企業の工場もたくさんあります。
クアラルンプールのペトロナス・ツインタワーや、ボルネオの自然、ペナンの世界遺産など、観光資源も豊富。イスラム文化×アジア×西洋のミックス感が旅行者にも好評です。
教育制度は基本的にマレー語がベースですが、英語教育も重視されていて、国民の多くがバイリンガルです。中国語やタミル語の学校も存在していて、多言語社会が成り立っています。
マレーシアはとにかく「多民族国家のリアルな実験場」って感じの国。それぞれの民族がルーツを大切にしつつ、ちゃんと共存してるんです。
マレーシアの食文化は、マレー料理・中華料理・インド料理が一度に楽しめる最高のバランス!ナシレマ、バクテー、ロティチャナイなど、どれも現地の人が誇るソウルフードなんです。
それぞれの文化圏が「無理に混ぜない、でも認め合う」というスタイルで共存しています。異なる宗教や食習慣に配慮する姿勢は、日本でも学ぶところがありそうですね。
マレーシアって、単に「多民族国家」ってだけじゃなくて、「植民地の傷を乗り越えて、多様性の中で国家をまとめ上げた知恵と実践の国」なんです。民族も文化も違う人たちが、お互いの違いを尊重しながら一緒に暮らしている。そんな姿から、私たちも学べることがたくさんありますよ。