モルディブの特徴と成り立ち

モルディブの国旗(赤地に緑の長方形、中央に白い三日月)

モルディブの国旗

出典:Wikimedia Commonsより

 

国の基本情報

国名 モルディブ(Maldives)
※正式名称:モルディブ共和国
首都 マレ(Male)
人口 約52万人(2024年推計)
面積 約300平方キロメートル(島嶼の総計)
公用語 ディベヒ語
通貨 モルディブ・ルフィヤ(MVR)
政治体制 大統領制・共和制
主要宗教 イスラム教(国教、スンニ派のみ合法)
国際的地位 観光産業に依存。気候変動による海面上昇が大きな懸念
建国背景 1965年にイギリスから独立。1972年に観光産業を開始し、経済の柱とした。

 

モルディブって聞くと、「新婚旅行の楽園」とか「美しい海に浮かぶ水上コテージ」ってイメージが真っ先に浮かびますよね。でも実はそれだけじゃないんです。インド洋の交易路としての歴史、多民族の交流から生まれた文化、そして海とともに生きる島民のたくましさが詰まった国なんです。今回はそんなモルディブの特徴と成り立ちを、地理・歴史・文化・社会・経済の側面からまるっとご紹介します!

 

 

モルディブの地理と基本情報

モルディブ南アジアインド洋に浮かぶ島国で、スリランカの南西に位置します。首都はマレ、人口は約52万人。国土は約1200の島々からなり、そのうち人が住んでいるのは約200島。ちなみに、地表が一番低い国とも言われていて、最高地点でも約2.4メートルしかないんです!

 

自然と気候

モルディブの自然といえば、何といってもサンゴ礁の海!透明度抜群の海と白い砂浜、豊かな海洋生物が魅力です。気候は熱帯モンスーン気候で、年間を通して温暖。雨季(5〜10月)と乾季(11〜4月)があり、観光ベストシーズンは乾季なんですよ。

 

民族と宗教

住民はディベヒ人と呼ばれる人々で、南アジアやアラブ、東南アジアの影響を受けた多民族系統。言語はディベヒ語(モルディブ語)で、アラビア文字に似たターナ文字を使用します。宗教はイスラム教(スンナ派)が国教で、信仰が法律で義務付けられているという特徴も。

 

モルディブの歴史と独立の物語

モルディブはその立地から、古代からさまざまな文明の交差点となってきました。小さな島国ですが、その歴史は意外とダイナミックなんです!

 

古代の航海と交易国家

モルディブは紀元前からインド洋の海上交易ルートに位置しており、インドやアラブ、東アフリカ、中国などと交易が盛んでした。特に乾燥ココナッツや魚類、貝殻通貨(カウリー)は交易品として重要だったんです。

 

仏教からイスラム教へ

7世紀ごろまでは仏教国家でしたが、12世紀にイスラム教が伝来し、王様自らが改宗したことで国家としてイスラム化。その後、スルタン制が長く続きました。

 

植民地時代とイギリスの保護国

16世紀には一時ポルトガルが支配しますが、追放に成功。その後オランダの影響下を経て、19世紀にはイギリスの保護国となります。ただし、内政の自主性は維持され、比較的平和に時代を過ごしたとも言えます。

 

独立と共和国への移行

1965年にイギリスから完全独立し、1968年にはスルタン制を廃止して共和国に。その後、長期政権が続いた時期もありましたが、徐々に民主化が進められ、現在は大統領制の民主共和国となっています。

 

政治体制と社会の課題

モルディブの政治は、観光立国の一方で、政権交代や宗教的価値観をめぐる揺らぎが見られます。環境問題や社会格差も大きなテーマ。

 

民主化と政権交代

2008年には民主憲法が制定され、複数政党制が導入。しかし政治的な混乱も多く、政権交代が繰り返されてきました。大統領には強い権限があり、国内の言論や宗教の自由をどう確保するかが課題となっています。

 

宗教と自由のジレンマ

国教がイスラム教であるため、他宗教の布教や無宗教は法律で禁止されています。この点で国際社会との価値観のズレが問題視されることもあります。

 

経済と現代の姿

モルディブの経済は観光と漁業が2大柱。でも、気候変動による海面上昇など、未来への不安もちらついています。

 

観光業と高級リゾート

GDPの3割以上を観光が占めていて、水上ヴィラやハネムーンリゾートで世界的に有名。高級路線を維持しながら、持続可能な観光への取り組みも進められています。

 

漁業と伝統産業

マグロ漁が中心で、持続可能な一本釣り漁法を守っているのが特徴。地元の食文化にも密接に関わる重要な産業なんです。

 

環境と気候変動

モルディブ最大の課題は地球温暖化による海面上昇。国全体がほぼ平地なので、最悪の場合国土水没のリスクすらあるんです。そのため、国際会議での環境問題アピールにも積極的です。

 

 

モルディブの主な特徴一覧
  • インド洋に浮かぶサンゴ礁の島国
  • 首都はマレ、人口は約52万人
  • イスラム教が国教で国民のほぼ全員が信者
  • 12世紀に仏教からイスラムへ改宗
  • 1965年にイギリスから独立、現在は共和制
  • 観光業と漁業が経済の中心
  • 海面上昇による国土喪失リスクが深刻

 

文化・言語・人々の暮らし

モルディブの文化は、海と共にある生活そのもの。外来文化も受け入れつつ、島ごとの独自性を保っているのが特徴です。

 

言語と教育

公用語はディベヒ語で、ターナ文字という独自の文字を使います。英語教育も盛んで、観光業に関わる人たちは英語が堪能な人も多いです。

 

食文化と伝統料理

主食は魚(特にマグロ)とココナッツ。代表的な料理はマスフニ(ツナとココナッツの和え物)や、ロシ(薄焼きパン)。カレーもよく食べられますが、スパイスは控えめで優しい味です。

 

暮らしと人々の価値観

島ごとのコミュニティが大切にされていて、助け合いの精神が根強く残っています。外から見るとリゾートでも、中では素朴でのんびりとした暮らしが広がっているんですよ。

 

モルディブは、ただのリゾートじゃないんです。海とともに生き、信仰と自然を大切に守ってきた人々の知恵と誇りが詰まった、美しいけれど繊細な国。その裏側にある歴史や文化にも、ぜひ注目してみてくださいね!