
韓国の国旗「太極旗」
出典:Wikimedia Commonsより
国の基本情報 |
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国名 | 韓国(South Korea) ※正式名称:大韓民国 |
首都 | ソウル(Seoul) |
人口 | 約5,100万人(2024年推計) |
面積 | 約100,400平方キロメートル |
公用語 | 韓国語(朝鮮語) |
通貨 | 大韓民国ウォン(KRW) |
政治体制 | 共和制・大統領制 |
主要宗教 | 仏教、キリスト教、儒教など |
国際的地位 | 主要先進国の一つ。OECD・G20加盟国 |
建国背景 | 1945年の日本の敗戦後、朝鮮半島は南北に分断。1948年、南側に大韓民国が建国され、北側には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が成立した。 |
韓国と聞くと、K-POPや韓国ドラマ、キムチや美容といった華やかな文化が思い浮かびますよね。でも実は、その裏には朝鮮半島の複雑な歴史や、日本や中国との関係、そして南北分断という現実が深く関わっているんです。韓国という国の特徴を理解するには、「現代的な韓流」だけじゃなく、その成り立ちにある数千年の歴史や戦後の国際政治をきちんと見ていく必要があります。今回はそんな韓国について、過去から現在までをまるっと紐解いていきましょう!
韓国、正式には大韓民国。朝鮮半島の南半分に位置していて、北は北朝鮮と国境を接し、東は日本海(韓国では東海と呼ぶことも)に面しています。人口は約5,100万人、首都はソウル。山がちで、都市がコンパクトに密集しているのが特徴です。
四季がはっきりしていて、冬は寒く乾燥し、夏は蒸し暑くて雨が多いという典型的な温帯モンスーン気候。春の黄砂や秋の紅葉など、日本と似たような自然環境も多いです。
公用語は韓国語で、文字はハングル。これは15世紀に作られた表音文字で、読みやすくて覚えやすいと評価されています。民族的にはほぼ単一民族とされ、国民の一体感が強いのも特徴です。
韓国の歴史は、朝鮮半島全体の歴史と深くつながっています。三国時代、統一新羅、高麗、李氏朝鮮…といった王朝の移り変わりを経て、独自の文化と制度が育まれていきました。
紀元前後から、高句麗(こうくり)・百済(くだら)・新羅(しらぎ)の三国が勢力を争っていました。この時期、中国から仏教や儒教、文字文化が流入して、朝鮮半島全体の文明レベルが一気に高まります。
7世紀に新羅が半島を統一し、その後は高麗王朝が続きます。ここから「コリア(Korea)」という名前の語源になったんですね。
14世紀に成立した李氏朝鮮は、儒教を国の基本理念に据えた学問重視の官僚国家でした。500年もの長期にわたって安定した王朝が続いたのは、世界的にもかなり珍しいです。
19世紀末の東アジア情勢の中で、朝鮮半島は次第に日本の影響下に置かれ、1910年には正式に日本の植民地となります。この時期、多くの文化・経済制度が整えられる一方、言語や姓名の強制変更など抑圧的な政策もあり、現在まで影を落としています。
1945年、日本の敗戦とともに朝鮮半島は解放されますが、米ソの対立の影響で北緯38度線を境に南北に分断。南に大韓民国、北に朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が成立しました。1950年には朝鮮戦争が勃発し、停戦状態のまま現在に至ります。
戦後の韓国は軍事政権から始まり、1980年代にかけて民主化運動が起こります。1987年以降は民主選挙による大統領選が行われ、民主主義国家として現在の形に落ち着きました。
韓国は大統領制を採用しており、大統領が国家元首・行政のトップ・軍の最高司令官を兼ねます。政権交代が頻繁で、政治スキャンダルも多いのが特徴。前大統領の朴槿恵や李明博などが逮捕されたこともあり、国民の政治参加意識はとても高いです。
1960年代から急速な工業化が進み、1980年代には「漢江の奇跡」と呼ばれる経済成長を遂げます。サムスン、LG、現代(ヒュンダイ)といった大企業グループ(財閥)が経済の中核を担っています。
1990年代以降は、K-POP、韓国ドラマ、ファッション、化粧品などのソフトパワーが台頭。東アジアはもちろん、欧米や中東でも「韓流ブーム」が巻き起こりました。
韓国の社会は競争意識が強いことで知られています。受験戦争、就職戦争、ビジネスの世界でも、常に「勝ち残る」意識があるんです。
大学進学率は世界トップクラスで、教育熱心な親が多いです。その一方で、若者のストレスや自殺率が高いという社会問題も抱えています。
家族や目上の人を大切にする儒教文化が今も強く残っていて、上下関係や礼儀を重視する社会です。ただ、最近では若者の間で反権威的な動きも見られるようになっています。
女性の社会進出も進んでいますが、男女格差やフェミニズムをめぐる対立も目立つように。ジェンダーに関する社会意識は、今まさに変化の真っ只中です。
韓国という国は、歴史の試練を何度も乗り越えてきた、粘り強い国民性と強い成長志向を持っているんです。古代から続く王朝の系譜、日本との過去、分断国家としての葛藤、それでも前を向いて走り続ける現代の韓国…その全部が今の「韓国らしさ」を形作っています。表面的なブームだけじゃなく、その背後にあるストーリーにも、ぜひ目を向けてみてくださいね。