中東は世界の三大宗教である、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教が誕生した地。イスラム教の聖都メッカとメディナが存在し、世界中から巡礼者を受け入れています。そして現在、中東の住民の大半がムスリム=イスラム教の信徒です。中には法律としてイスラム教を国教として定め、他の宗教の崇拝を禁じている国もあります。
レバノンは中東諸国では珍しくキリスト教が強い国です。レバノンの人口の95%はアラブ人ですが、国民の40%はキリスト教の信者で、イスラム教と拮抗しています。
中東でも非アラブ語圏ではユダヤ教やキリスト教が優勢で、例えばヘブライ語が公用語のイスラエルは8割近くがユダヤ教を信仰しています。イスラエルが、アラブ諸国(イスラム教圏)との対立で起こった第一次中東戦争に勝利した結果成立した国であるということも大きく関係しています。
中東はキリスト教が誕生した地なので、元々信者は多かったのですが、イスラム教の台頭で、今ではかなり少なくなっています。数少ないキリスト教徒は、近年流入が増加した外国人労働者が。レバノンは例外的にキリスト教がイスラム教と拮抗するほど優勢。パレスチナ、シリア、エジプト、イラク、イスラエルなどにもそれなりに信徒が存在します。
中東人口全体の0.3%(約90万人)ほどが仏教徒で、21世紀以降、中国、ベトナム、タイなどアジア諸国からやってきた外国人労働者が主流です。
最も仏教徒が多いのはサウジアラビアで、中東全体の仏教徒の45.8%はサウジアラビアに存在します。次いでアラブ首長国連邦(24.6%)、クウェート(11.7%)、カタール(5%)という割合となっています。宗派に関しては、タイやスリランカなどからやってきた外国人労働者は上座部仏教を、東アジアやベトナムからやってきた外国人労働者は大乗仏教を信仰している傾向にあります。